乾癬は、皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に銀白色のフケのようなものができて、ポロポロと剥がれ落ちる皮膚の病気です。
刺激の受けやすい部位、頭部、体の外側(肘、膝なと)に生じやすい傾向にあります。爪の異常を伴うこともあります。
遺伝的な体質があり、それに何かのきっかけが加わった時に乾癬が発症したり、増悪すると言われています。昨今では、メタボリック症候群との関連を指摘されています。
皮膚の表面にある表皮細胞は通常45日の周期で生まれ変わり剥げ落ちます。乾癬の病変ではそのサイクルが、7日程度と極端に短縮することで、どんどん皮膚が厚くなると言われています。このことを角化異常と呼びます。角化異常の原因(結果であるかはっきりしていませんが)に免疫異常が関与しています。
最近の研究で、このメカニズムの解明が進んできています。
乾癬の治療には、様々あり、症状に応じて選択します。組み合わせることも可能です。
ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬を使用します。外用方法には様々あります。(段階的切り替え療法、組み合わせ療法、同時併用療法等)
レチノイド(チガソン):角化異常に対して作用します。
シクロスポリン(ネオーラル):免疫異常に対して作用します。
アプレミラスト(オテズラ):免疫細胞の働きを抑え、角化を抑制します。25年ぶりに発売された乾癬に対する内服薬です。(詳細はこちら▶)
特殊な波長の紫外線を照射する治療です。乾癬に対しては非常に有効です。以前は特殊な薬剤を内服あるいは外用後に照射するもの(PUVA療法)が主流でしたが、現在は照射するのみで効果を発揮します。全身に照射することも可能です。
より特異的に免疫異常に対して作用する薬剤の開発が進んでいます。点滴や皮下に注射することで行われます。高い有効性を示しますが、副作用防止の観点から高度な皮膚症状があり、他の治療で無効の場合選択されます。指定された施設でのみ治療可能ですので、必要に応じ、ご紹介させていただきます。