掌蹠膿疱症とは
手のひらや足の裏に膿疱が繰り返しできる皮膚の病気です。膿疱とともに周りに
赤みがでたりカサついたり、皮膚が硬くなったりする場合もあります。時には爪の変形すら生じ、生活の質を非常に低下させます。

掌蹠膿疱症の原因は?
扁桃炎、虫歯などの慢性の炎症や金属アレルギーの関与が示唆されていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
掌蹠膿疱症は治りにくい?
患者さんによって異なりますが、数年症状が続く方もいらっしゃいます。
掌蹠膿疱症の治療は
さまざまな治療の選択肢があり、組み合わせながら対応していく必要があります。
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- 外用療法
- ステロイド外用薬:炎症を抑えるお薬です。
ビタミンD3外用薬:膿疱や水疱を抑えるのみならず、皮膚が硬くなることも抑えます。
サリチル酸ワセリン:皮膚をやわらかくする役割があります。
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- 内服療法
- 抗生剤:膿疱がある場合有効です。
抗アレルギー剤:かゆみを抑えるお薬です。
ビタミンA誘導体:角化異常を改善します。
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- 紫外線療法
- エキシマ療法が有効です。(詳細はこちら▶)
掌蹠膿疱症は比較的難治な疾患ですが、紫外線療法を併用することにより、治療期間を短縮します。
そのほかにできること
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- 扁桃摘出
- 扁桃を摘出することにより症状が改善することがあります。重症例、長期例には、行うことがあります。
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- 虫歯の治療
- 虫歯は慢性の炎症であり、掌蹠膿疱症の原因(あるいは悪化因子)になりえます。必要に応じて治療されることをお勧めします。
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- 歯科金属の除去
- 金属アレルギーがある場合、歯科金属の除去をお勧めする場合もあります。
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- 禁煙
- 喫煙も慢性の炎症を起こすことが知られており、原因のひとつと考えられています。統計的にもこのお病気の85.5%の方が喫煙者であったとの報告もあり、因果関係はあるとされています。
掌蹠膿疱症の合併すること
関節痛(鎖骨、肋骨等)を合併することがしられており、皮膚症状よりも関節痛で悩まれている方もいます。
掌蹠膿疱症に似ている皮膚の症状は
実は、水虫(足白癬)は症状が非常に似ています。両方を合併することもありますので、
しっかりとした診断に基づいた治療を進めていくことが大事です。
/ 監修医情報 /
- 医師
- 桑園オリーブ皮膚科クリニック 院長 米田 明弘
- 経歴
- 1990年 旭川東高等学校卒業
1997年 札幌医科大学医学部卒業
1997年 札幌医科大学皮膚科学講座
2002年 札幌医科大学大学院卒業(医学博士)
2003年 米国Wistar研究所
2011年 札幌医科大学皮膚科講師
2014年 桑園オリーブ皮膚科クリニック開院